ARBITRO MAGAZINE

HEUER Autavia 1163V のオーバーホールの様子

 

タグ・ホイヤーの前身、ホイヤーの伝説的クロノグラフのAutavia (オータヴィア)。

インディ500のスポンサーだったタバコブランドのViceroy (ヴァイセロイ)のキャンペーンとして販売されたのがこの1163Vです。

ホイヤーの代名詞でもある、世界初自動巻きクロノグラフのCal.11を搭載。

その世界初の自動巻きクロノグラフ Cal.11がこのムーブメント。いつもお世話になっている松野時計店さんにオーバーホールをお願いしました。オーバーホールの時の様子をブログにご紹介頂いたのでアルビトロのブログでもそのままご紹介しますね。(いつもありがとうございます。)文章も面白いのでサクサクと読み進められます。


自動巻群。分解しながら様子を見ていきます。オータヴィアは自動巻クロノグラフの世界初?だったっけそんな感じなので、構造がかなり特殊です。この写真では外していますが、自動巻ローターが小さいマイクロローターというものを使っています。

手で巻くと真ん中にある歯車がスリップする構造で、巻く感触がちょっと重めな感じです。下の二枚の歯車がクラッチギア、だったかな。作業したのが結構前なので曖昧です。こんなブログを参考にしている人がいるとは思えませんが、参考にしてはいけません。

分解しました。

年数は60年代?ぐらいなのですが、状態は綺麗です。以前一度同じようなモデルを紹介しましたが、そちらも綺麗でした。

組み上げます。

まずは時刻機構から。特に問題は無く順調です。・・・書く事もありません。

自動巻部分を組みました。

これです、これ。右上にある扇状のパーツがマイクロローターです。こんなに小さいんです。このマイクロローターが腕の動きをゼンマイに伝えるわけですが、この構造だと状態によっては巻き不足になりがちです。

状態ってのは使い込んであるかどうか。摩耗してきていると交換が必要なんですが、部品がありませんのでその場合には手巻で補助が必要です。こちらのモデルは手巻の併用はいらないぐらい良いです。商品になったらぜひアルビトロ様でご購入を(笑)。

クロノグラフを組んでいきます。

精度も良さそうなのでクロノを組んでいきます。クロノグラフの作動はETA7750でも使われているラチェットギアです。

古いモデルではこれしか見た事無いんですけど、他にもあるのかな。ごちゃごちゃと歯車がありますが、秒針はありません。

完成です

以前も書いた気がしますが、プロト感が凄い。とにかく急いで完成させたキャリバーって感じがひしひしと伝わってきます。

構造としてはバルジューとかレマニアでも近い感じがしないでもないモデルもあるような気がしないでもないような気がしますが(どっちよ)、オリジナリティがあるキャリバーです。逆リューズのクロノグラフ自体がこのキャリバーしかないってのが(多分)証左、しょうさ?面白いですよね。実用でも使える状態です。

針をつけよう。

中の話ばっかで良く分からん!ってコメントはありませんが(そもそもアクセスが無い)、今回は外観も載せます。商品の紹介にもなりますしね。この写真と、次を比べてみて下さい。

装着しました。

逆リューズの存在感が良いですね。現在はランニングテスト中で、しばらくすれば無事納品できます。秒針が無いのでクロノグラフを動かして精度を見ています。調子も良さそうでおすすめですよ。・・・いくらで販売するんですかね、ウヒヒ。いや、いつもご利用ありがとうございます!角煮おいしかったです。どうもであります。


いかがでした?時計のオーバーホールの様子が分かりやすく書いてあります。修理職人の方がこんな感じで書いてくれていると良いですよね。

最後の角煮っていうのはお土産で持って行ったもののことです(笑)


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