ARBITRO MAGAZINE

ROLEX Cellini 3804 WG Silver Dial

 

ROLEX Cellini 3804 WG Silver Dial ロレックス チェリーニ Ref.3804 WG シルバー ダイアル

デイトジャストなどのオイスターケースのモデルやスポーツモデルと比べると知名度は低いですが、その歴史は古く、1928年に誕生したモデル。

「チェリーニ」という名前は16世紀、ルネッサンス期のイタリアの彫刻師であるベンベヌト・チェリーニという人物に由来します。

ロレックスのコレクションの中で特定の人物の名前が付いているのはこのチェリーニだけというのも、このチェリーニが独特の立ち位置であることを意味しています。

ケースの素材はゴールドもしくはプラチナでしか生産されないチェリーニですが、ケースやダイアル、針の組み合わせは数え切れないほどのバリエーションが存在します。

この時計は1960年代のRef.3804というモデルで、ケース素材は18K ホワイトゴールド。よく見るとケース表面にサテン仕上げがされているのが特徴です。

ケース形状はラグ部分が一体になったように見える、オメガのCケースのような曲線的なデザイン。

真ん丸のラウンドケース支柱が付いたようなドレスウォッチのスタンダードなデザインとはかなり印象が変わります。

ザラつきのある紙のようなシルバーダイアルにシンプルなバーハンドとバーインデックスは落ち着いた雰囲気ですね。

文字盤をアップで見るとよく分かりますが、表面がざらついた様な感じで光の当たり方によっても見え方が変わってきます。

またヴィンテージと時計にしかない経年変化ですが、シルバーのカラーだったものが約50年という時間を経てやや黄色みがかったような色味に変化しています。

バーインデックスやロレックスのロゴはWGのアプライド(植字)で針と同色。

ロレックスとチェリーニの文字のみがブラックのプリントで、数あるチェリーニのバリエーションの中でも際立ったシンプルさ。

ケースの形状がなんとも表現し難い、複雑なデザインです。

表面のケースはバーク仕上げのような装飾、ケース横は鏡面仕上げと手の込んだつくりになっています。

斜めから見ると仕上げ(装飾)の違いが分かりやすいですね。

ケース表面はバーク仕上げのようで、横は鏡面(ミラー)仕上げになっています。

この細かいデザインの違いが見えたときの印象が少し変わるかもです。

この時代のロレックス チェリーニは手巻きのムーブメントが入っているので、ケース自体もかなり薄く、時計自体もめちゃめちゃ軽いんです。

金無垢ケースと相まって、究極のドレス時計と言って良いんじゃないでしょうか?

現代で使うならニットやシャツなどの少しきっちり目な服との相性はかなり◎

日が当たると少し黄色みがかったようなダイアルの印象です。経年変化でもともとシルバーだったものがこんな感じになるって相当な時間が経ったという証。

この時計は約50年ほど前に作られたもの。こういうヴィンテージ時計はウイスキーやワインと同じように、とても長い時間の経過を楽しむものなのかも知れませんね。

秒針が無いドレス時計は時間を確認する道具というよりも、ネクタイなどと同じく、少しかしこまった場での装いに無くてはならない仕上げのアイテムだったと思います。

忙しい現代にあえて秒針の無いアナログな手巻きのドレス時計を着けるっていうのもチェリーニを選ぶ理由のひとつですね。

 
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