Rolex Ref(リファレンス) 6694。初めてロレックスを買おうと思って「ヴィンテージロレックス」と検索すると、まずは予算的にお財布に優しいこの手巻きモデルが候補に上がるはず。
いきなりサブマリーナやGMT、エクスプローラーのヴィンテージはハードルが高い、または仕事にも着けたいのでなるべくシンプルなデザインで飽きのこないロレックスが1本欲しいという人におすすめです。
Ref.6694の良さって何?となると、34mmのオイスターケース、Cal1210、Cal1215、cal.1220、Cal.1225などのロービート(振動数が少ない)手巻きムーブメント、1950年代〜1970年代まで長期間作られていたため数多くのダイアルやインデックスのパターンがあること、あとはリベットブレスや巻き(巻き込み)ブレスなどのヴィンテージにしか無いブレスなどですね。
34mmのオイスターケースの良さについて
日本人男性の手首って、鍛えている方以外けっこう細めの人が多いのではないでしょうか?手首周りの長さが16mm以下の場合は34mmケースがちょうど良いかなと思います。
あとはステンレスの塊をくり抜いて作られているだけあって堅牢なこと。50年以上も前のヴィンテージ時計ですが、いまだに日常生活で普通に使えるレベルなんです。
デザイン的にもシンプルでオーソドックス。飽きがこない、華やかさは無いかもしれませんが、その分どんなシチュエーションでも着けられるというのがポイント高いですよね。
ムーブメントについて
Ref.6694に使われているムーブメントですが、Cal.1210の場合は5振動(毎時18,000振動・1秒間に5振動)、Cal.1220は6振動(毎時21,600振動・1秒間に6振動)など、ロービートと呼ばれるもの。
ロービートの良さはなんと言っても機械にかかる負荷が少ないため、摩耗による消耗が少なく故障が起きにくいということ。
逆にハイビートは1秒間あたりの振動数が多いので精度は高くなりますが、その分消耗が激しくパーツが悪くなりやすいというデメリットもあるんです。
上のムーブメントはCal.1225。何十年も前のムーブメントですが、さすがはロレックス。ちゃんと整備をすれば2019年の今でも普段使いに問題はありません。
このRef.6694はくさび形の針とインデックスがヴィンテージ感があって良いですね。ブラックダイアルは経年変化でかなり色合いなどが変わってきます。きれいなブラックやゴールドも良いですが、あえてRef.6694の手巻きを買うなら思いっきりヴィンテージ感があるものでもオッケーですよね。
ブレスはリベットブレス。60年代前半に付けて売られていたこのリベットブレスは年代と雰囲気が合うので、このブレスだけを探されている方も多いんです。リベットブレスと並んでヴィンテージならではのブレスと言えば、巻き込みブレス(通称:巻きブレス)。このブレスは1960年代後半から70年代の後半まで製造されていたと言われています。
巻きブレスとは何ぞや?と思いますよね。何を巻いているのかというと、金属の板を卵焼きのように両端を巻いて形成されているので巻きブレスと呼ばれています。このブレス、軽くてヴィンテージ感が満載で良いのですが、コマ調整は慣れた(熟練の)職人さんにやってもらわないといけません。無理に自分でやろうとすると間違いなく失敗します。もし上手くいったとしても仕上がりが大変なことになると思いますので、もし調整をしたい時はアルビトロまでどうぞ。
ブレスの話が出たのでバックルも。このバックルの王冠ちょっと変わってると思いません?これは巷ではデベソバックルとか呼ばれているもの。1950年代〜1970年代前半ごろまでのものには、このバックルのブレスが付いているのもそんなに珍しく無かったようです。
Ref.6694にはどれぐらいの種類があるのか?
これについては正直数が多すぎて誰も分からないというのが本当のところでしょうね。いまだに見たことが無いようなものが出てきたりしますから。でもあきらかにこれは無いですよねっていうのもあったりしますからご注意を。
ではどんな種類があるか見ていきましょう。
グレーとネイビーの中間色のようなカラー、しかもリネン(絹目)ダイアルというかなり珍しいもの。これはヴィンテージロレックスにしか無いデザインですよね。
拡大してみるとこんな感じで縦横にテキスタイルを織ったような見た目。これはスーツとかに合いますね。
もっと寄ってみます。かなりオシャレです。
リネンダイアルの時計に付いていたリベットブレスの刻印。
こちらもリネンダイアル。シルバー系のカラーだとだいぶ印象が変わります。普通のダイアルはイヤっていう人はこんな時計はいかがでしょう?
実際に着けて撮影してみました。こんなカジュアルなスタイルにもバッチリ。サイズ感がちょうど良く、納まりが良い感じ。写真のように白のパンツにこのホワイトリネンダイアルを合わせてみるのもアリ。
ブラックダイアルはグッと大人な雰囲気に。上の写真の時計は巷では「トロピカルダイアル」と呼ばれるブラックダイアルのものがブラウンチェンジしたもののこと。これはヴィンテージのブラックダイアル、しかもミラーダイアルが経年変化でこんな感じに。これはヴィンテージならではなんです。日光なんかの紫外線があたって変化するんです。
Ref.6694の中でもカラーダイアル(ブラックやブルー、グレー)はシルバー系のものより価格が1.5倍ぐらいに跳ね上がります。
シルバー系は比較的数は多いのですがカラーダイアルは数が少なく、また状態が良いものは年々少なくなってきていて欲しい人も多い、というのが理由。
ブラックは色味的に締まって見えるので実際のサイズよりシュッとして見えるかも。ブラックxゴールドの組み合わせって、一番大人っぽいと思うのですがいかがでしょう。
自然光を当てるとこんな感じに見えます。これを文章で表現するのが難しいですが、ヴィンテージ時計のカッコ良さが十分に出ていると思います。
とはいえ、きれいなシャンパンゴールドのダイアルも捨てがたい。迷うぐらいなら何本か持っちゃいましょう。ロレックスは損しませんから。
もう一度おさらいすると、このRef.6694の良さは34mmのオイスターケース・手巻きのムーブメント・ヴィンテージ特有のデザイン・そして巻きブレスやリベットブレスが付いている場合は軽くて日常使いしやすい。そんなところです。
現行の時計を持っていて、初めてヴィンテージのロレックスを買いたいという方はデイトジャストなどの自動巻きはもちろんおすすめですが、36mmケースなのと手巻きモデルに比べると価格が1.5倍ぐらいはしますので、このRef.6694を考えてみてはいかがでしょうか?