ARBITRO MAGAZINE

ROLEX Submariner Date 116610LN Review

 

2020年現在、現行モデルのロレックス サブマリーナー デイト Ref.116610LN。

デイト付きのサブマリーナーはロレックスのブティックに行っても新品はなかなか買えない状態が続いてますよね。

日本のショップに限り、購入時に本人確認を厳格に義務付けたこともあってかチラホラ買えたという人も出てきているようですが、まだまだいつでも買えるっていう状況にはなっていませんよね。

そこで購入前の知識としてこのRef.116610LNはどんなモデルなのかを知っておけばもっと欲しくなると思います。

Contents

Ref(リファレンス)の末尾のLNとは?

フランス語で Lunette(リュネット)は ベゼル、 Noir(ノワール)は黒という意味なので、Ref.116610の「黒ベゼル」モデルということですね。

同じモデル Ref.116610のグリーンバージョン Ref.116610LV の表記。

Lunette(リュネット)ベゼル、Verte(ヴェルテ)緑という意味なので日本語で分かりやすく言うとグリーンサブです。

付属品について

緑の箱(内箱)に対してこちらは外箱にあたる白い箱。

ロレックスの王冠ロゴの凹凸がある仕様の箱です。

外箱を開けると説明書などの書類等が入っています。

内箱の裏にはROLEX SA- GENEVE SUISSE の記載がありますね。

日本国内の正規店で購入した際はすぐにギャランティカードを貰える訳では無く、ハガキに住所や氏名を記入する必要があります。

1ヶ月後に下の写真のようなギャランティカードが封筒に入って送られてきます。

ギャランティカード。シリアルナンバー/ モデル名が記載されています。

裏面には購入店舗名と購入者、購入した年月が記載されます。

所謂、並行品と呼ばれるものには氏名の記載は無く店舗名のみとなります。

もし手放す際は修正テープや消しゴムで名前を消してから売却することをおすすめします。

保証は時計のシリアルナンバーに対して有効なため、名前を消しても無効になることはありません。

内箱にもロレックスの王冠ロゴ。プリントでは無いのが高級感があります。

“Superlative Chronometer”(高精度クロノメーター)意味するグリーンのタグ。

これはムーブメントがCOSC(スイス公認クロノメーター)による公式認定を受けていることの証明です。

COSCだけでなく、さらにロレックスが自社内で行う一連の最終検査も通過しているという2重の安心感の証。

内箱の中にもロゴマークと王冠ロゴ。

しっかりとしたウレタン素材のクッションにサブマリーナーが置かれています。

ケースサイズとデザイン

前モデル Ref.16610と比較するとデザイン面で大きく変わった箇所としてラグとリューズガードのデザインが変わりました。

どちらも大型化されて、より耐久性が増しています。

ラグはRef.16610の2.7mmから4mmへサイズアップ。

また、インデックスのドットも大きくなり、時分針も大型化。

視認性が良くなった反面、前モデルを見慣れていると違和感があるかもしれません。

前モデル Ref.16610 の2003年頃、風防に王冠透かしが入ったタイミングでラグの横穴が無くなりました。この現行モデルも引き続き横穴は無し。

フラッシュフィットも前モデルと同様、一体型です。ちなみに1999年頃から一体型にされていったようです。

ベゼルはアルミ素材からセラミック製に変更されました。ロレックスが独自に開発、特許を取得したセラクロムという名の素材です。

ベゼルの数字と目盛りはゴールドまたはプラチナの微粒子でコーティングされたPVD加工が施されています。

キズに強く退色を防ぐ加工がされ、ベゼル自体も耐久性が上がっています。

ロレックスによると、

「耐蝕性に優れた硬いセラミックを素材とし、ロレックスが製造したこのセラクロムべゼルインサートは、ほぼ完全な耐傷性を備え、紫外線、海水、塩素水に晒されても影響を受けない。」

とされており前モデルのアルミベゼルと比べるとかなりの耐久性を誇るようです。

その分、ゴーストベゼルと呼ばれる退色は起こらないので好みは分かれるかもしれません。

リューズガードも前モデルと比べ少しですが大きくなってます。

ベゼルの仕上げひとつ取っても美しいのがロレックスですね。

トリプルロックを表す3つのドット。3重密閉になっているので潜水艦のハッチのような高い防水性能がウリです。

ケース、ブレスレットの素材はオイスタースチールと呼ばれる、904Lスチール。

この904Lスチールは主にハイテク産業や航空宇宙産業・化学産業などに使われる素材で錆びにくいのが特徴です。

パネライやパテックフィリップなど、多くの高級時計メーカーで採用している316Lスチールよりも堅く研磨性が高いため、ロレックスの時計は研磨するとより綺麗に感じられるのでしょう。

ケースと裏蓋は写真のようにわずかな隙間もなくがっちりと密閉された状態。

裏蓋のギザギザから分かるようにオイスターケース専用のオープナーを使わないと裏蓋を開けることはできません。

ロレックスにはサービスセンターに磨き専門の職人さんが在籍しているほど卓越した磨き技術についてはこだわりがあるブランドです。

痩せていない角が立った状態のラグというのはこういう状態のことを言うんです。

ブレスレットとバックル

ブレスレットは中央のリンクパーツが空洞のあるものからステンレス無垢へと変更されています。

また、違いを感じるのはバックル部分で堅牢性や高級感が更にアップした新型バックルになっています。

工具無しで調整が可能なグライドロックエクステンションが採用されています。

本来はダイバー用の機能ですが、日常生活でも腕のむくみや汗ばんだ時など必要に応じてすぐに調整できるのは良いですね。

堅牢性、高級感がアップした分、重量も上がっており結構ずっしりとした重みを感じます。

慣れれば問題無いかもしれませんが、150gという重さがあることはご留意下さい。

ダイアルと夜光塗料

ダイアルはインデックスが大型化された点と時分針が太くなったのが前モデルとの違いです。

インデックス(アワーマーカー)と針は18ctゴールド製のため見た目の美しさと耐磁性を兼ね備えています。

ダイアルの外周にはROLEXと王冠マーク、6時位置にはシリアルナンバーがレーザー刻印されています。

巧妙になってきてはいますが、偽造品とはこのインデックスや針の仕上げを見ることで見分けが可能です。仕上げの綺麗さがかなり違います。

夜光塗料はスーパールミノバからクロマライトへと変更されています。

クロマライトの特徴は青い光とルミノバと比べて2倍の最長8時間という発光時間です。

時計の夜光塗料といえば緑色という印象でしたが、青色も格好良いです。

夜にしか分からないので中々見る機会が少ないですが。

Tudor Submariner Ref.79090との比較

前モデルであるRef.16610と同じロレックスの部品を使ったチュードル(チューダー)のサブマリーナー Ref.79090 ブルー (通称青サブ)と並べてみました。

ブレスレットは異なるものの、ケースや裏蓋、リューズなどは同じものを使用していますので16610との比較とほぼ同じと思って頂いて大丈夫です。

ケースサイズ自体は同じ40mmですが、リューズガードやラグが太くなっている分、116610LNの方が大きく見えますね。

ベゼルの数字の大きさ、ダイアルのインデックス、針の太さも比べると分かりやすいです。

ブレスレットは79090が巻きブレス、16610はオイスターブレスのため比較にはなりませんが質感は全く異なります。

16610LNの重さは150gです。(11コマの状態)

同じ腕周りで79090は98gと2/3の重さです。

この辺りは重量と堅牢さのトレードオフですので、個人の好みによるかと思います。

最後に

2018年、2019年にGMTマスターIIが新型ムーブメント3200系を搭載しモデルチェンジしました。

ヨットマスター、シードゥエラーも同じく新型ムーブメントへと移行しています。

バーゼルワールドはコロナウィルスの影響で2021年1月に延期となり、中止とほぼ同義のため4-5月のどこかのタイミングでロレックスは新作を発表すると見られています。

このサブマリーナー 116610LNが登場して10年が経過し、他のスポーツモデルがモデルチェンジを果たしているため2020年に新作が発表されるという予想が非常に多いです。

同様の予想はエクスプローラーIとエクスプローラーIIにもありますが、注目度はやはりサブマリーナーが高いです。

新作が発表されると旧モデルは生産終了(ディスコン)となり、需給のバランスがさらに崩れて価格が上昇する傾向にあります。

また、これまでのスポーツモデルでは生産初年と最終年のものは他のものよりも高い価格が付くケースが多いです。

後の資産的な価値を考えて購入を検討されている方は最終年に当たる可能性がある2020年のギャランティのものは要注目だと思います。

 
Rolex Air-King 14000M Salmon Dial
Rolexムーブメントのオーバーホール

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