ロレックス チェリーニ というと、どんなモデルを思い浮かべますか?
たぶんほとんどの人がすぐには答えられないと思います。
それぐらいロレックスの中でも知られていないラインですが、ドレス時計として紹介しないわけにはいかないぐらい格好良いモデルが多いのがチェリーニなんです。
1920年代後半に始まったチェリーニのライン。
チェリーニはロレックスの代名詞「オイスターケース」を使いません。
基本的に18K GOLD/WHITE GOLDやプラチナといった素材を使った、ケースの縁や厚みが薄いのがチェリーニ。
防水性の高いガッシリとしたケースでは無く、ドレスウォッチとして求められる条件や付加価値を追求した結果、金無垢やプラチナなど貴金属として価値のあるケースに薄さを追求したムーブメント、そして主張しすぎないシンプルなデザインがチェリーニの特徴。
日本では「チェリーニ」という名称で通っていますが、海外では「セリーニ」と言わないと通じません。(これマメ情報です)
「チェリーニ」という名前は16世紀のイタリアルネッサンスの彫刻師であるベンベヌト・チェリーニという人物に由来します。
このベンヴェヌート・チェリーニは彫刻家や画家として有名です。あのミケランジェロと同じ時代に生き、仲が良かったとか。
ロレックスのコレクションの中で特定の人物の名前が付いているのはこのチェリーニだけというのも、このチェリーニが独特の立ち位置であることを意味しています。
またムーブメントは手巻きのロレックスムーブメントが入ったものだけというこだわりよう。(現行モデルは自動巻きが存在します)
ドレス時計だけに、秒針がなく2針と呼ばれる分針と時針の2本のみ。
時間を表すインデックス(目盛り)すら無いデザインのものもあります。
これは究極のドレス時計ですよね。
インデックスが無い理由は、パーティーの際に時間を気にしていると受け取られないように、という完全なアクセサリーとしての位置づけのためなんです。
それではロレックス チェリーニのモデルを見ていきましょう。
ROLEX Cellini 3833 18K WG 1960s
Ref: 3833
Serial: 302xxxx
Year: 1967
Movement: Manual Cal.1600
Case: 31mm
Material: White Gold
Strap: 19mm
ケースには18Kホワイトゴールドを使用。
ホワイトのローマンダイアルに細いバーハンドのみとシンプルすぎるほどシンプルですが、アップライトの王冠がアクセントになっていますね。
アップライトの王冠ロゴ。手間とコストがかかりますが、これがあるのと無いのとでは大違いです。
ROLEX Cellini 4135 18K WG 1990s
ロレックスの究極のドレスラインとも言えるチェリーニ。1995年製。
長方形の18Kホワイトゴールドケースにネイビーダイアルは中々無い組み合わせで、上品さでいて洒落ている稀有なデザイン。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 4135
Serial: W07xxxx
Year: 1995
Movement: Manual Cal.1602
Case: 33mm
Material: 18K White Gold
ROLEX Cellini Silver Dial 18K YG 1970s
サンバースト仕上げと呼ばれる放射線状の仕上げが美しいシルバーダイアルに細いバーハンドのみと非常にシンプルですね。
18Kイエローゴールドケースにシルバーのローマンダイアルという小洒落たデザイン。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 3833
Serial: 367xxxx
Year: 1974
Movement: Manual Cal.1600
Case: 31mm (リューズ除く)
Material: 18K Yellow Gold
ROLEX Cellini 4112 18K YG 1990s
18Kイエローゴールドケースにゴールドのローマンダイアルは上品さが◎
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 4112
Serial: W02xxxx
Year: 1995
Movement: Manual Cal.1602
Case: 31mm (リューズ除く)
Material: 18K Yellow Gold
ケースとのグラデーションになるシャンパンカラーのダイアルに細いバーハンドのみと非常にシンプル。
ですが、アップライトのローマンインデックスがアクセントになって、光が当たったときには存在感のあるデザインですね。
ROLEX Cellini 3803 White Dial YG 1970s
楕円形のような曲線的な縦型YGケースにホワイトダイアル、ブラックのプリントというスッキリとしたデザイン。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 3803
Serial: 256xxxx
Year: 1971
Movement: Manual Cal.1600
Case: 23x32mm
Material: 18K YG
ローマ数字のインデックスはドレスウォッチという印象が強くなりますね。バーインデックスのシンプルさも良いですが、洒落た感じはこちらの方があるかもしれません。
ホワイトダイアルは角度によって真っ白に見えたり少しくすんで見えたりと表情が変わります。
サイズとしてはレディースサイズだと思います。
ROLEX Cellini 4103 Rectangle YG 1970s
レクタングル(長方形)のYGケースで、縁が結構太めの印象です。ケースは横から見ると台形のような形をしており、少し厚みを感じられるチェリーニにしては珍しいデザイン。
ダイアルはケースと同じ色のシャンパンゴールドカラーで放射状に線の入ったサンバースト仕上げのため、見る角度によって色の濃さが変わりグラデーションのように見えます。
ローマ数字のインデックスはドレスウォッチという印象が強くなりますね。良く見ないと気付かないのですが、4時の表記が「Ⅳ」では無く「IIII」となっています。
通常では使われない表記ですがミスプリントでは無く、時計の文字盤特有の表記です。ロレックスだけで無くカルティエやランゲ&ゾーネなど、多くのメーカーでも同様に表記されています。
その理由に関しては諸説あるのですが、どの説が正しいという結論は出されていないようです。七不思議のようなものですね。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 4103
Serial: 422xxxx
Year: 1974
Movement: Manual Cal.1600
Case: 23×30.5mm
Material: 18K YG
シンプルなブラックのバーハンドは結構短めで、王冠ロゴに重ならないくらいの長さのためアップライトのロゴが主張していて良い感じです。
サイズ感としてはマストタンク LMと同じようなサイズですので基本的にはメンズサイズですが、女性もそれほど違和感なくお使い頂けると思います。
ROLEX Cellini 4103 Rectangle YG Black Dial 1970s
レクタングル(長方形)のYGケースで、縁が結構太めの印象です。
ケースは横から見ると台形のような形をしており、少し厚みを感じられるチェリーニにしては珍しいデザインです。
イエローゴールドの王冠ロゴとゴールドのレター。
よく見ると文字が盛り上がっています。
ダイアルは光沢のあるブラックで、インデックス表示の無いミニマルデザインです。まさにドレスウォッチという文字盤ですね。
ケースの角の仕上げが高級感たっぷり。こんなデザインと仕上げがあるのは、ヴィンテージのチェリーニならではかも。
ブラックダイアルはオニキスのような雰囲気ですが、良く見るとストライプ柄となっており、さり気ない洒落っ気を感じます。
サイズ感としてはカルティエのマストタンクLMと同じぐらいで、約16.5cmの腕周りでこれぐらいのサイズ感。めちゃめちゃ格好良いんです。
ROLEX Cellini 3603 Rectangle WG
この時計はパッと見ると正方形に見えますが、やや縦の方が長いレクタングル(長方形)のケース。素材は18K WGです。
ダイアルはケースと同じ色のシルバーで放射状に線の入ったサンバースト仕上げのため、見る角度によって色の濃さが変わりグラデーションのように見えます。
サイズ感としてはカルティエのマストタンクのLMサイズと同じようなサイズのヴィンテージのメンズサイズ。
現行のレディースサイズに近いと思います。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 3603
Year: 1960s
Movement: Manual Cal.1600
Case: 24x27mm (Without Crown)
Material: 18K WG
ROLEX Cellini 3833 WG Grey Dial 1970s
ホワイトゴールドケースにグレーのダイアル・ホワイトのインデックスと針のカラーリングがおしゃれなこのモデル。
インデックスと針に注目。こんな変わった仕上げの時計があるのもチェリーニの面白いところなんです。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 3833
Serial: 302xxxx
Year: 1971
Movement: Manual Cal.1600
Case: 31mm
Material: 18K WG
ROLEX Cellini 4112 WG Roman Dial 1990s
ケースには18K ホワイトゴールドを使用しており、縁が非常に狭いケースデザインです。
ぱっと見るとステンレスケースのように見える、ゴールドでありながらいやらしく無いのがポイント。
金無垢の尾錠。右に「750」という数字が刻印されているのが金無垢の証。
この尾錠だけで数万円の価値があります。
アプライドの王冠ロゴとローマ数字のインデックス。
サンバースト仕上げのシルバーダイアルに細いバーハンドがシンプルで良いですね。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 4112
Serial: W03xxx
Year: 1994/95
Movement: Manual Cal.1602
Case: 31mm (リューズ除く)
Material: 18K WG
革ベルトをブランカラーにすると雰囲気がまた変わりますね。
アップライトのローマンインデックスがアクセントになっています。
ROLEX Cellini 3804 WG Navy Dial 1970s
ケースには18K ホワイトゴールドを使用しており、ケース形状はラグ部分が一体となった曲線的なデザイン。
ダイアルは中心からグラデーションで徐々に濃くなっていくネイビーカラーでかなり格好良いです。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 3804
Serial: 425xxxx
Year: 1974
Movement: Manual Cal.1601
Case: 31mm (リューズ除く)
Material: 18K WG
ラウンドケースではありますが、シェイプしたデザインが柔らかい印象。
白のステッチが入ったネイビーのレザーベルトを合わせると良いと思います。
ROLEX Cellini 4122 YG Mahogany Dial 1980s
ケース形状が六角形という非常に珍しいデザイン。
八角形のケースはいくつか代表的なモデルがありますが、六角形はIWCのダヴィンチという時計にヘキサゴンケースと呼ばれるタイプがあったぐらいで殆ど見ることが無いですね。
裏側を見るとケースの形状が分かりやすいですね。
変わったケースデザインですが、奇抜さは無く、高級感があるのがロレックス。
アプライドの王冠ロゴ。
マホガニーのダイアル。こんな自然素材をダイアルに使うっていう試みがすごい。天然素材をダイアルに使うのは宝飾性の高いモデルならではです。
個体によって木目が違うため、唯一無二の1本と言える時計です。
Brand: ROLEX
Model: Cellini
Ref: 4122
Serial: 43xxxxx
Year: 1980
Movement: Manual Cal.1601
Case: 23x30mm (ラグ含む)
Material: 18K YG
ROLEX Cellini 5112 WG Grey Dial 1990s
数多くの組み合わせが存在するチェリーニですが、グレーのダイアルは中々珍しいです。
金無垢ながら、腕にした時には見える部分が非常に少ないため嫌らしさを感じません。
このローマ数字のインデックスがたまりません。
角度によって色味がグレーに見えたりネイビーっぽく見えたり。
Model: Cellini
Ref: 5112
Serial: E46xxxx
Year: 1990
Movement: Manual Cal.1602
Case: 31mm (リューズ除く)
Material: 18K YG
まさに、大人のための時計です。
ロレックス チェリーニはこれ以外にもまだまだ様々なモデルが存在しています。今回はアルビトロで取り扱ってきたものをご紹介しました。着けた時のサイズ感やバランスを含め、気になるモデルはありましたか?
チェリーニというモデル自体の認知度があまり高くないためか、こんな時計がロレックスにあったんですねというお声をよく頂きます。ロレックス チェリーニが持つこの魅力に、まだ世間が気付いていないうちに持っておくと真のお洒落さんになれるかもです。
単純に人と被りたくないっていう方にもおすすめです。ロレックスというブランドが持つ価値とデザインの良さ、値ごろ感があるプライス。全てのバランスが取れていますね。資産価値的な面から考えても損はない時計だと思います。
大人のためのドレス時計を探している方は、チェリーニをぜひ候補にあげてみて下さい。ロレックス チェリーニはArbitro 一押しのアイテムです。
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