ARBITRO MAGAZINE

Cariter Santos Galbee

 

カルティエは1847年、ルイ・フランソワ=カルティエが宝石細工として工房をスタートし、現在まで続くフランスのブランド。

引用元 https://successstory.com/companies/cartier

各国の王室・皇室御用達ジュエラーとして知られている通り、ブランドとしての格は別格です。

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アルベルト・サントス=デュモンとルイ・カルティエ

ブラジル人飛行家、アルベルト・サントス=デュモンがカルティエの3代目ルイ・ジョゼ・カルティエに「飛行機を操縦している時に操縦桿から手を離さずに時間を確認できる時計が欲しい」と相談されたことから生まれた時計がサントス ドゥ カルティエ。

1904年に誕生し、以後カルティエの代表的な時計として挙げられるようになりました。

Louis Joseph Cartier… カルティエ 3代目のルイ・ジョゼ・カルティエ

そんな歴史的な時計にまつわる話を詳しく見ていきましょう。


アルベルト・サントス=デュモンについて

この名前の由来は1900年代の初めに「ブラジルのコーヒー王」と呼ばれブラジル国内では未だにその名前を知らない人はいない、というとても偉大な父を持つ『アルベルト・サントス=デュモン』とカルティエ家の3代目にあたる『ルイ・カルティエ』が出会い、そこから生まれた時計ということから。

ライト兄弟のことが世間に知られるまで、世界で初めて飛行機を発明したと思われていた、という逸話が残るほどの飛行機の発明家兼パイロットだったサントス=デュモン。

ライト兄弟のことが世間に知られるまで、世界で初めて飛行機を発明したと思われていた、という逸話が残るほどの飛行機の発明家兼パイロットだったサントス=デュモン。

また当時のパリの社交界ではかなりのファッショニスタとしても有名で、襟の高いシャツをよく着ていたのがカッコ良いと噂になり、みんなに真似されたとか。

サントス ドゥ カルティエの誕生

そんなサントス=デュモンがルイ・カルティエにリクエストしたのが、飛行機の操縦をしている時に操縦桿を操作したまま見ることができる腕時計が欲しいということ。

この時代は懐中時計しかない時代で、腕時計はまだまだ広まっていなかったんですね。

引用元  https://veja.abril.com.br/brasil/ha-110-anos-santos-dumont-se-tornava-um-dos-pais-da-aviacao/

でもそこはさすがのルイ・カルティエ。

飛行機からインスピレーションを得たと思われるスクエアケースに、レザーストラップを合わした時計をデザインし製作しました。

引用元   https://medium.com/@tccz/1904-cartier-santos-lofty-beginnings-2ef0a03e23a

この時計は世界で初めての実用的な腕時計と言われています。

引用元   https://medium.com/@tccz/1904-cartier-santos-lofty-beginnings-2ef0a03e23a

これが先ほど紹介をしたサントス ドゥ カルティエ。


サントスガルベが発表された時代背景

サントスガルベ誕生のきっかけはパテックフィリップのノーチラスやオーデマ・ピゲのロイヤルオークに代表される(どちらもジェラルドジェンタデザイン)、1970年代に流行したラグジュアリースポーツと呼ばれるステンレス製ハイエンドモデルの流行。

上の画像は1978年のパテックフィリップ ノーチラスの広告。

カルティエ サントスガルベの登場

この流行の波を受けてカルティエは1978年、これまでの革ベルトが付いていた『Santos』から新たに『Santos de Cartier』としてデザインもラグジュアリースポーツを意識したステンレス製のモデルを販売をしたんです。

これが初代サントスですね。

そして1970年代〜1980年代前半にかけて(スイス側から見れば)、クォーツショック(Quartz Crisis)と呼ばれるクォーツムーブメントが押し寄せます。

このクォーツショックを受けて、1987年、ラグに丸みを持たせ着け心地を良くしたデザインに変え、名前も『Santos Galbee』に変更しました。

サントスガルべはやっとこの年に出てくるんですね。

サントス ガルベは、はじめに紹介した通り、サントス ドゥ カルティエのオリジナルモデルをベースにしたもの。

一般的には「Santos de Cartier」も「Santos Galbee」もサントスガルべとして販売されているので、アルビトロでもどちらもサントスガルべとして販売しています。

サントスガルべはクォーツモデルに切り替わるまで、自動巻きのモデルもあり両方存在しています。

こちらが自動巻きのモデル。

自動巻きムーブメントが入っている分、ケースが少しぼこっとしています。

こちらがクォーツモデル。

クォーツムーブメントなので裏蓋部分もスッキリ。薄いですね。

自動巻きモデルとクォーツモデルの違いとしてデイト(日付)表示の位置が違います。(例外はありますが)

自動巻きの場合は「3時位置」にデイト表示があります。

これに対してクォーツモデルはというと…

「6時位置」にデイト表示があるんです。


そしてサントスガルべは2005年にSantos Galbee XL という大型化したモデルを発表した、っていう流れです。

サントスガルべの発表から20周年を記念したモデルが下の時計。

ギョーシェ彫りのダイアルとアプライドのローマ数字インデックスが特徴的。

サイズ感や着け心地などサントスガルベがやっぱり良いんですね。このモデルはオールステンレスのモデル。

ゴールドがアクセントになるコンビモデルも人気ですが、メンズにはこのオールステンレスモデルを探してるって言う方も多いんです。

現行モデルとの違い

現行のコレクションとは異なるのがサイズ感。

現行のLMはもっと大きなサイズとなっており、小さいMMサイズでも35mmとこの時代のLMサイズよりも一回り大きいのでヴィンテージモデルを求める方が多いのも納得です。


サントスガルベの各モデル紹介

CARTIER Santos Galbee Moon Phase LM

カルティエ サントスガルベ ムーンフェイズ

シンプルなコンビモデルも良いけど、もっと人と違うサントスガルベが欲しい、という人向けなサントスガルベ ムーンフェイズ。

ムーンフェイズの名の通り、月の満ち欠けを表しているこの時計。

ムーンフェイズモデルは残っている個数も少なく、なかなかキレイな個体は出てこないので、見つけた時にとりあえず買っておいた方が良いかもです。


CARTIER Santos Galbee LM Godron

通常のビスをあしらったデザインでは無く、ゴドロンブレスと呼ばれる特徴的なブレスレットになっている珍しいモデル。

このゴドロン装飾はアールデコ様式にインスパイアされたデザインで、ギリシャの神殿の柱をモチーフにしたと言われています。

ゴドロンブレスモデルは数が少ないので、出てきた時に買っておいた方が良いかもです。


CARTIER Santos Galbee LM Ivory Dial

アイボリーカラーのダイアルに立体的なアップライトのインデックスが特徴的。

このインデックスはWG(ホワイトゴールド)で作られています。立体感があり、プリントとは違った趣があります。

コンビモデルのゴールドのベゼル・ビスという組み合わせでは無く、オールステンレスモデルのため、よりクールな印象。

ヴィンテージのサントスガルベはサイズ感が絶妙です。

手首の長さ、約17mmでこの感じ。

大きすぎず、小さすぎず。主張しすぎるのではなく、サラリと着けることができるのがサントスガルベの良いところ。全体のコーディネートのアクセントとして、どのシーズンでも対応できます。

ブルースティール針がシンプルなダイアルの中でキラリと光ります。でも、そんなに目立ち過ぎず大人の雰囲気。


CARTIER Santos Galbee LM 1980s

カルティエのサントスガルベと言えばまず思い浮かべるのが、このステンレスと18Kゴールドのコンビモデル。

オリジナルのサントスをベースに、飛行機にインスパイアされビスをあしらったデザインは男ゴコロをくすぐられます。

リューズのデザインも特徴的。

ホワイトのローマンダイアルにはブルースティールハンド、そして良く見ると7時のインデックスⅦの一部が「CARTIER」となっています。

現行のコレクションとは異なるのがそのサイズ感、ブレスレットのデザイン。ロゴが飛び出しているという点が違います。


CARTIER Santos Galbee LM Blue Dial 1980s

ブルーのローマンインデックスはサントスガルベの初期にしか存在しない、ヴィンテージならではの組み合わせ。

サントスガルベの初期にしか生産されなかったという、希少なダイアルです。

ブレスのロゴは飛び出していないという点が現行モデルとは異なります。


サントスガルベを選ぶ理由

改めてカルティエの歴史を少しご紹介。

1800年代、ルイ=フランソワ・カルティエが1847年に創業し1853年にパリに高級宝飾メゾンとしてブティックをオープン、その数年後にはナポレオン3世の皇后を顧客とするまでに。そして3代目のルイ・カルティエの時代には世界中の王室から王室御用達の特許状を受けるまでになりました。

そんなカルティエはいくつかあるジュエリーブランドの中で、時計というカテゴリーで考えるとカルティエは別格の扱いなんです。

その理由としてはやっぱりサントス=デュモンとルイ・カルティエの関係から生まれた「サントス」や「タンク」があるから。

サントスは「飛行機に関係した時計」というふわっとした感じで知ってたという方がほとんどだったと思いますが、サントスガルベの元をたどれば1900年代の初めまで遡るって、すごい歴史とストーリーを持った時計ですよね。


サントス ガルベは、そのオリジナルモデルをベースに、誕生の契機となった飛行機のビスを各部にあしらったデザインが特徴でカルティエのヴィンテージ時計の中でも特に人気が高いモデル。

ヴィンテージのサントスガルベを選ぶ理由として、サイズ感、また現行には無いデザインやカラーがあります。カルティエはブティックに持っていけばコンプリートサービスを受けられるので、そういう点でも安心して使うことができるのが良いですよね。

価格という面からみてもヴィンテージの方が買いやすいので、まずは1本買ってみて損はない時計だと思います。


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