ARBITRO MAGAZINE

How to Use Cartier Watch (Instruction Archive 説明書)

 

初めてカルティエのヴィンテージを使う方も、そうでない方も操作方法はどうすれば良いの?と思っている方も多いはず。

そこで当時の説明書のアーカイブコレクションを作ってみました。

これを見れば操作方法で悩むことはありませんね。

クォーツモデルは基本的に、一度時刻合わせを行うと、それ以降はリューズを触ることは無いと思います。

電池式なので電池切れまでは動き続きます。

オーバーホールをしてから2-3年に一度の電池交換を数回経て、あるタイミングで電池を変えても動かないということになるとオーバーホールが必要です。

クォーツムーブメントのオーバーホール(分解・点検・部品洗浄、交換・組み立て・注油)もしくはムーブメントの交換をすればまた使えます。

日本語版・英語版のどちらの説明書にも「3気圧防水」と書かれていますが、これは販売当時の記載ですので数十年経っている現代では非防水と考えましょう。

『 サントス オクタゴン、サントス ガルベのサントスシリーズの防水について 』

日常生活防水程度はいけますが、できるかぎり水には気をつけて下さいね。

洗い物や大雨の時などは外す・もしくは使わないことが大切。お手洗いの時も水がじゃぶじゃぶとかからないようにお気をつけ下さいませ〜。

気をつける事と言えば、激しい運動の時も使わない方が安心です。あとはパソコンやスマホにぴったりくっつけないこと。

これは磁気帯びと言って時計の時間が狂う原因になるんです。

サントスについて見ていきましょう。

上の説明にも書いてある通り、サントス(ガルベ)のベゼルやケース、ブレスの仕上げが変えてあるんです。

なんの事かというと、プレーンな鏡面仕上げ(ミラー仕上げ)と呼ばれるものと、筋目が入ったサテン仕上げのこと。

この写真が分かりやすいと思います。ベゼル部分(鏡のようにキラキラとして光っている)とケースやブレスレット(ビス以外)の縦の筋目が入った部分が違うんです。

ブレスはビスの表面だけがミラー仕上げで残りの部分は筋目が入っているという、職人泣かせの仕上げになってます。

逆に言うと、こういう細かい部分のデザインにまでこだわっているのが、さすがジュエラーのカルティエですよね。

このちょっとしたデザインの違いがトータルで見た時に大きく変わるっていうことを知っておくと良いかもです。

サントスガルベのクォーツモデルの説明から。クォーツモデルは基本的に「6時」の位置にデイト(日付)表示がきます。

デイト(日付)付きのムーブメントは2段引きと呼ばれる操作方法になります。

これはリューズが閉まっている状態から2段階引けます、ということ。

・ 1段引くとデイト(日付)のクイックチェンジ(早送り)ができます。

・ 2段引くと時刻合わせができます。

『 気をつけるポイント 』

初めに紹介をしたサントスオクタゴンも同じですが、リューズを一段引いて行う「日付の早送り」をする前に時計の針を「3時」の位置にセットしておくこと。

なぜか日本語の説明書には書かれて無いんです。それは後から紹介する英語バージョンのものには記載がありますが、デイト付きの時計は「24時」になる数時間前から徐々に歯車が噛み合って行って日付表示を変える(1日進める)仕組みになっています。

それを無理やり日付部分だけを変えようとするとムーブメントの部品が壊れてしまうので、日付の早送りを行う前は面倒ですけど

・ リューズを2段引いて、長針(長い針)をぐるぐると回して進める

・ 長針を回していき「3時」の位置でストップ

この作業をしてから、日付の早送りを行うようにしましょう。

自動巻きモデルも同じ。ただし、完全な機械式時計なのでゼンマイが解(ほど)けきると針がストップします。

上の説明に書かれていますが、ゼンマイを巻ききった状態(電池でいうフル充電の状態)から36時間持ちますよ〜ということです。

これはあくまでも目安で大体はもう少し短いと思います。この時計の場合、36時間動くということがよく聞く「パワーリザーブ」というやつです。

普通は36時間もじっとしてることは無いので、歩いたりすることでゼンマイが巻き上がり(これを自動巻きと言います。中に錘が入っていて、それが動くことでゼンマイを巻き上げるんです)止まること無く使える、ということになります。

ただし、週末は外して他の時計を着けたりして一切動かさなかった場合は止まっているはず。

その時は上の図でいうポジション1の状態でリューズを時計回りに何度か回すと動き始めます。(これを手巻きと言うんです)

年代によって説明書の中身が違います。書かれている内容は同じですけどね。

サントスガルベ ムーンフェイズについて。

英語で書かれていますが、書かれていることは先ほど見たサントスガルベのものとは少し違います。

話は戻りますが「IMPORTANT:」と注意書きがある部分、日付の早送りをする時は「3時」の位置に針を合わせてからにして下さいね、という部分が日本語にはありません。

サントスガルベ ムーンフェイズは何が違うかというと短針・長針は同じですが、もう1本の針が秒針ではなくデイト(日付)を表しているんです。

そしてこのデイト(日付)部分の変更の仕方がちょっと変わっています。

先ほどの説明書の「A」という部分。この「A」という表示のある部分は下の写真を見てもらえれば分かると思います。

リューズのすぐ下(リューズガードの根元らへん)にボタンを押せるようなところがあるの、分かるでしょうか?

これを押すと先端が傘のような形をしたデイト(日付)針が進みます。1回押すと、1日進むんです。

ムーンフェイズ部分は単独で変えることはできません。でも説明書によるとカルティエで調整してるから何の調整もいりませんよ〜と言っているので、それを信じましょう。

ムーンフェイズモデルは独特なデザインが良いですよね。サントスガルベの中でもムーンフェイズを持っているとなると極端に減ると思いますので、サントスガルベの中でも被りたくない方におすすめ。

最後にブレスレットの調整について。

ステンレスブレスの調整はなるべくカルティエのヴィンテージ時計を扱う専門店かカルティエ ブティックに持っていくのが良いと思います。

コマ取りって簡単にいくケースと、ネジ部分が簡単に回せない状態の場合もあるんです。

ブレスについての補足として、万一、切れた場合も専門の職人さんにお願いすればきれいに修復できるのでご連絡下さいませ〜。

説明書に書いてある「フォールディングバックルの留め金にある2つの調整穴」って何ぞや?って思ったはずですが、上の写真の部分です。

この部分で微調整はできます。これは簡単にできるので、傷つけない自信のあるかたは先端が細いもので棒をプチっと外して、調整してまた着けるっていう作業をすればオッケーです。

基本的な操作はサントスのモデルだけでなく、マストタンクなども同じです。操作方法はムーブメントと呼ばれる機械によって少し変わるだけで、時計の基本的な操作は上で紹介した方法と同じ。

そんなに難しいものでは無いので、一度理解すれば大丈夫。ただし、リューズを引いたあと、最後に元の位置に戻すのをお忘れなく。


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