ARBITRO MAGAZINE

ヴィンテージ時計の疑問? Vol.1 手巻きと自動巻きの違い。

 

ヴィンテージ時計を買う時に躊躇してしまう理由のひとつとして、手巻きって何?っていう点があると思います。

手巻きはその名前の通り、リューズを手で回してゼンマイを巻くから『手巻き』なんです。

ゼンマイはフィットチーネのような(きしめん?)形をしたゴムを想像してもらうと分かりやすいですね。ゴムを香箱という、丸い小さい箱の中にぐるぐる巻いていく感じ。

時計って、このゼンマイをぐるぐる巻いていって、目一杯ちっちゃくした状態から、元に戻ろうとする力を利用して動いてるんです。

この巻く方法が、手巻き(手で巻くこと)か自動巻き(機械が自動で巻いてくれる)っていうこと。

自動巻きもやってることは同じでゼンマイを巻いてます。

それを手動で全部やるか、錘(おもり)にやってもらうかの違い。

手で巻き上げる場合、リューズを右手の親指と人差し指で摘んで、上に回すと巻き上がります。

ずっと巻いていると、ある一定のところで重くなってそれ以上巻けなくなるんです。

それがもう満杯巻けましたよーっていう合図。それ以上、無理やり巻こうとするとゼンマイが悪くなったり、最悪の場合、切れたりしちゃいます。

手巻き時計の場合、巻く時間をだいたい決めておいた方が良いかもです。

なるべく止まりそうになる前ぐらいに、もう一回満杯まで巻くっていう方法が良いと思われます。

だいたい満タンに巻いてから40hぐらいは動いてくれます。(これは時計によっても変わります)

この何時間動くかっていうのを「パワーリザーブ」って言います。パワーリザーブ、聞いたことあります?

この、「あと何時間ぐらい動きますよ〜」っていうのを表示する機能のコトも、パワーリザーブ搭載とかって言ったりもします。

これが手巻きの説明。だいたい分かって頂けたでしょうか?

次に自動巻きについて。

これは先ほども説明した通り、手で巻く代わりに、ムーブメントの中に入っているローターと呼ばれる錘(おもり)が回転してゼンマイを巻くこと。

もうちょっと詳しく言うと、錘(おもり)が回転した力を利用して香箱(この中にゼンマイが入っています)と呼ばれる部分を回してゼンマイを巻きます。

上の写真で言うと、半月の形?をした鎌のようなもの分かります?

これがローターと呼ばれる錘 (おもり)なんです。

これがグルングルンと回ってるんです、実は。

いつもは見えないですが、裏蓋の中ではこんな部品が動いてゼンマイを巻いてくれているんです。

ヴィンテージの自動巻きは、自動巻きであっても手で巻けるものが多いです。

時計が完全に止まっている状態から動かす時には、手巻き時計と同じようにリューズを回して手で巻いてから使い始めます。

(手巻きができない場合は、時計を左右に動かしてローター(錘)を動かします)

最近の自動巻きは別として、ヴィンテージの自動巻きの場合ゼロからイチにするパワーがかなり必要なんです。

止まっている状態から必死に腕を振ってもトルクが全然足りてない状態ですので、何百回と振っても手で巻くパワーに比べたら。。って感じです。

あとは姿勢差と呼ばれる、時計の向きや動く方向によって巻き上がり具合いが全然変わってきます。

手巻きと

自動巻き。

どちらが良いっていうことでは無いので、気に入った時計を買えば良いんじゃないかと思います。

 
BEPPIN-TEN x Arbitro
Cariter Santos Galbee Moon Phase LM

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