Cartier Tank Basculante SM Grey Roman Dial
カルティエ タンク バスキュラント
ケースが回転する構造を持つバスキュラント。
こんな小さなケースが回転するってすごいですよね。
でもどうやって回転させるのか、興味ありません?
まずはどの部分が回転するかについて。
上の写真で言うと、① 1番外側に純粋なケース → ② 石が付いているケース → ③リューズが付いている1番内側のケース の順で構成されていますが、可動するのが②と③の部分。
②のケースは約95度ぐらい傾き、③のケースが回転するっていう仕組み。でも、実際はどう動くのかイマイチ想像できないですよね。
元の設計図はこんな感じらしいです。これを見ると②のケースは100度ぐらい?まあ95も100もあまり変わりませんので(設計や製造してる人たちには怒られそうですが)それぐらい傾くということで。
それでは動かし方を見ていきましょう。
こんな感じで少し隙間が空いてるんですね。ケースを動かしたい時には石が付いている上の少し盛り上がっているところを優しく爪などで引っ張り上げます。(ストラップを傷つけないように注意しながら)
そうすると石が付いた②のケースが立ち上がります。
②のケースを45度ぐらい上げてみて、正面から見ると上の写真の状態に。
横に倒して見てみると分かりやすいですよね。①のケースに対して45度に立ち上がっているのが石が付いている②のケース。
②のケースの中央部分にビスで取り付けられているのが③のケース。
この中央部分を軸に、鉄棒の逆上がりみたいな感じでクルっと回るんです。
リューズ操作(時刻合わせをしたい時)をする時も、このようにリューズ部分のケースを出してから操作します。(リューズをやさしく一段上に引っ張り上げて)
③のケースが回っている様子。
②と③のケースを90度にしてみると、①のケースの内側にはカルティエのロゴが隠れています。
こういう普段見えない部分にまでしっかりと仕事がしてあって、かつ、遊び心があるのが◎
③のダイアルがついたケースを裏返して、元の状態に戻してみました。(ケースに撮影のライトが反射してます。。)
何も無い時計みたいで、これはこれでアリ。こんなデザインの時計?かなって思うカモです。
時間が分からないので時計ではないですけど。(時間を知りたいときはスマホで確認しましょう)
アクセサリーとしてこういう使い方をしてもオシャレですよね。
でも何で裏返そうと思ったの?と思いません?
ジャガールクルト レベルソの場合、スポーツのポロをする時に壊れない時計を作ってくれっていう依頼があって、こんな風な時計を作ったっていう成り立ちがありますけどカルティエの場合はどうなんでしょう?
以上で回転の仕方の説明は終わりですが、いろいろな写真を見てどれが元の状態なのか訳が分からなくなってきたと思います。
それではもう一度、普通の状態を確認してみましょう。
そうそう、これですよね!でもこの元の状態の裏面ってまだ見てないような。。
そうなんです。この状態でケースの裏面をまだご紹介してませんでした。
ではでは、上の写真の状態で時計を裏返してみると。。
このようになっております。サテン仕上げになっていてスッキリ、シンプル。
ケースに刻印された「Cartier」の文字がオシャレ。
ケースの仕上げの話になったので、その部分も少し見てみましょう。
①の1番外側のケースは鏡面仕上げ、②の石が付いたケースはサテン仕上げ、③のケースは鏡面仕上げ。
この写真では分かりにくいかも知れませんので、もっとアップで見ると。。
かなり凝った作りになってますね。職人さんの磨き作業が大変(笑)
普段はじっくりと見ることはないかもしれませんが、カルティエってこういう仕上げの違いで微妙な見た目の差を出しているんです。
こんな細かいところまでこだわるのって、さすがですね。
ジャガールクルトのレベルソもカルティエのタンク バスキュラントも1930年代の前半頃に初めて販売されたモデルなんです。
このデザイン、元々は『Spécialités Horlogères SA』の技術者(デザイナー)が生み出したもの。
そのデザインからレベルソは横回転、カルティエのタンクでは縦回転する時計になった、という歴史があります。
デザインに惹かれることはもちろん、この時計がどんな背景から出てきたのかな?ということを少しでも知るともっと興味が湧いてきますよね。
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